下記の文章は社団法人日本観光協会の第11回優秀観光地づくりへの公募原稿です。

小野川温泉観光知実行委員会の活動内容

 

小野川温泉は米沢市から南西10キロの生活感がある温泉である。泉質の良さから地元客が78割の地元民の湯治場で、収容人員1000名17軒の旅館の小規模の温泉地であり、集客人員に対して、全国的知名度は低かった。平成2年に31万人の観光客があったが、経済不況の影響で平成1219万人と観光客は減少した。しかし、町づくりを始めて2年半だが、平成14年は4.5%増加している。

27年前、行政から補助金が付き、コンサル会社が温泉街活性化プランを作った。しかし、業種の利害対立や資金面で計画が頓挫した。23年前に全ての観光関係者団体の小野川観光協議会に青年部組織・ホタル祭り実行委員会が誕生し、ホタル祭りが始まった。ホタルが生息する地域は住みよい地域を合言葉に、自然発生するホタルを大切にし、観光客に楽しんで頂く祭りを成功させようと若者の結束力が強まった。そして、まちづくりの思いがあったが、何をして良いか解らなかった。

134月にJR東日本&JTBの若手勉強会が来訪した。彼らは観光地の活性化の支援地に東日本から唯一小野川温泉を選んだ。理由は小野川の人々のやる気・熱意だ。小野川温泉の活性化策は地元の人々が主体的にまちづくり行い、JR東日本&JTBは小野川温泉旅行の「湯あみ旅情」商品を造成し、バックアップすることになった。お客さんが求めているのは温泉情緒やホスピタリティーであり、お客さんはハードでなく、ソフトよる楽しみを求めていると話し合われた。地元を知り、知恵の活用する観光知開発が提言された。このオファーを受けて、ホタル祭り実行委員会を中心とした、まちづくり実働部隊の小野川観光知実行委員会が組織された。

委員会では金を掛けないまちづくりが可能として「お楽しみプラン」を作成した。各旅館は小さいが、お客さんに町に出て、町の道が廊下、町の自然が庭として、町全体を楽しむプランである。無料の「レンタサイクル」、携帯電話によりビューポイントに米沢ラーメンを出前する「どこでも出前」、町歩きの「お休み所」や町歩きの楽しさを紹介した「散策マップ」が実施された。そして、温泉を町全体で楽しむ湯めぐりの「夢ぐり」を実施した。1000円で小野川すべての15旅館と2共同浴場に三箇所入浴できる。夢ぐりの手形は小野川の特産品の独楽である。夢ぐり使用後は独楽の里にて無料で絵付け体験できる。既存の旅館の風呂使用であり、設備投資は目印の日よけ暖簾だけだ。この夢ぐりは委員会のまちづくり資金である。一個の独楽手形の販売で200円の収益予定だが、湯ぐり使用率70%で平均350円の収益となる。平成139月から1年間で3000個を販売し、105万の資金ができた。すべての旅館に露天風呂がなく、共同露天風呂をホタル公園に製作した。会員の手作りと地元業者の協力で破格の120万で完成した。共同の露天風呂は地元民に感謝し、温泉を楽しんでいただくため無料とした。その後、この資金中心に飲泉所、足湯・インフォメーションセンターが手作りを交えながら作られている。これらの施設を地元民も利用し、楽しんでいる。

観光知委員会の特色は、@議論を徹底的にする。小野川メーリングで事前に会議資料が配られ、事前に意見交換され、会議は結論を出す場にしている。決定が早く、行動にスピードがつく。

A情報を公開する。資料や議事録はメールの添付ファイルで出し、メール以外の会員にはFAXで通知する。決定事項の再確認の機会でもある。B全員でまちづくりをする。湯あみ旅情参加旅館は6軒だが、作業は民主主義、結果は自由主義経済で自助努力の必要性を説く。観光協議会は旅館だけでなく商店・床屋・畳屋・工務店が参加している。完成したまちづくり施設の掃除は会員全員48名が10班体制で行っている。全員が役割分担を持ち、設備屋は露天風呂維持管理担当、畳屋はかまくら製作担当と得意分野でそれぞれ活躍している。そして、子孫が住み良い・住みたい町を作りたい。そんな町は住民が地域を誇り、ホスピタリティー溢れる町・温泉で心が温まる町あり、自然と観光客が来る。観光開発でなくハートのまちづくり・住みよいまちづくりは結果的に訪れたい町なる。今、町民の全ての団体から構成された小野川まちづくり委員会を設立し、景観や社会的基盤の整備の総合的プラン作成が動き始めた。